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畳のカビのお掃除どうしてますか? ひつこいカビには何が効く 掃除機から定番のカビキラー・ハイターやエタノール、酢をつかった掃除の仕方を徹底比較

一番簡単な畳のカビの掃除方法。掃除機をかけるとどこまでカビが減るか?データから検証してみる

 

畳の一番手っ取り早い掃除方法として掃除機をあてることが挙げられます。
掃除機をあてることによって、畳にダニが繁殖する原因となる「フケ、垢、ホコリ、食べカス」を除去することができ清潔な空間を保つことができます。

しかし本当に掃除機だけで長期間清潔な空間が保つことができるのでしょうか?

カビの発生条件は、ダニの繁殖条件と似ています。
条件として、温度・湿度・空気(酸素)・養分です。
特に温度と湿度が重要な要素と考えます。
温度(お部屋の場合は室温)が、20~30度で、湿度が75%以上で、
この条件が継続的に続いた場合に畳表表面にカビが見える形でわかります。

こういった条件を見てみると、ただ毎日掃除機をあてるだけでは100%カビを予防することが
できないことがわかりますよね。

そこで畳にカビが発生した場合、掃除機だけで対処できるのか調べてみました。

掃除機はダニアレルゲンの除去には非常に有用ですが、ダニ退治力は若干劣ります。
上級睡眠健康指導士の加賀 照虎氏によると、1㎡当たり3分間毎日畳に掃除機を3週間
掛け続けて、その前後のダニ数を調べた実験があります。

処理前
畳の中央・・・126匹 畳の隅・・・186匹

処理後
畳の中央・・・69匹 畳の隅・・・90匹

20年ほど前の実験ですので、現在の最新型の吸引力に優れた機種ではより良い結果が出ると
思いますが、それでもダニを一掃することは難しいと思います。
なので、これを踏まえて掃除機でダニ退治をするならば、以下のように行いましょう。

1 吸引力に優れた機種を選ぶ
2 1時間程度部屋を暗くし、ダニを畳表面におびき出す
3 丁寧にじっくり畳に掃除機をかける
4 休憩。休憩の間、部屋を暗くして2を行う
5 もう一度、畳に掃除機をかける

1度ならず2度3度徹底的に掃除機をかければ、まずまずのダニ退治効果が見込めます。
さらに、この作業を連日行っていただければ対策としては理想的です。

市販の薬品の定番「カビキラー」と「ハイター」で畳の掃除をするとどこまでカビが減らせるか?

 

カビを除去する際に、カビキラーなどのカビ専用の薬剤で拭く人が多いですが、
これは良くありません。
カビキラーなどは主成分が塩素系の薬剤なので、消毒効果があります。
しかも塩素系なので漂白作用もあり、カビによって黒ずんだ目地やビニールクロスのカビなどは、きれいにすることができます。
しかしそれを畳に使うと、繊細な天然素材であるいぐさを傷めてしまう上、畳の表面が
漂白されて、色ムラができてしまいます。
また薬剤が畳にしみ込んで、私たちの体にも悪影響を与えるので、使用は控えた方が
良いでしょう。

カビが発生してから時間がたってしまうと、カビが奥まで入り込んで黒ずんだシミができて
しまいます。
アルコールで退治はできますが、漂白効果はないのでシミまでは取り除けません。
どうしてもシミまでキレイにしたいときは、『キッチンハイター』などの液体状の塩素系漂白剤を200倍以上に水で薄めて使いましょう。
雑巾などに染み込ませてカビの部分だけを拭きます。
最後に水拭きをして漂白剤を残さず拭き取り、しっかりと乾燥させることを忘れずに。
この時、注意することはあまり濃いキッチンハイターで拭かないこと、そして長時間そのままに
しておかないことです。
この2点に注意しないと、真っ白に漂白されてしまいます。
あまり目立たないところで試してから使うことおすすめします。

塩素系漂白剤をそのまま使うと畳の色素が抜けて傷んでしまうのであまりおすすめできません。畳にも使える洗剤を活用するのがおすすめです。

畳のカビ掃除で意外と知られていないエタノール・お酢のチカラ

 

畳にできたカビの掃除方法・手順6ステップをご紹介します。

1.ふわふわ胞子は床用のワイパーで
ドライ(乾いているもの)のシートを使用します。ウェット(濡れているもの)の方が薬剤が
含まれており効果がありそうですが、畳に水分を与えてしまうのでカビとりにはドライシートを使用します。
強くこすりすぎると畳にカビを擦り付けることになるため、カビの胞子をそっと取り除くように、畳にカビを押さえつけすぎないように扱います。

2.ふわふわ胞子を取った後は、乾いた目地ブラシで編み目に沿ってこする
目地ブラシを軽くなで付けるようにして、編み目に入り込んだであろう胞子を掻き出し、乾いた雑巾で拭き取ります。

3.エタノールをまんべんなくスプレー
エタノールは蒸発するので、畳に水分を与えることにはなりません。スプレーに入れたエタノールを畳にかけて、除菌します。

4.カビの色が残って気になるところには重曹をかけて色を落とす
黒カビなど、色の残りが気になる箇所には重曹をかけ、重曹にエタノールを振りかけてください。目地ブラシで優しくこすって、色を落とします。重曹は乾いた雑巾で拭き取ってください。

5.カビの匂いが残って気になるところには酢をかけて臭いを落とす
なんだかカビくさい気がする。カビの匂いは酢で落としましょう。酢をスプレーボトルなどに
入れて、霧状で噴射し、乾いた雑巾で拭き取ります。
酢の匂いも独特なので気になりますが、口に入れても大丈夫な食品なので、下手な殺菌剤や
芳香剤より人体に無害で、成分が気になるご家庭でも安心して使えます。

6.可能であれば畳を外して陰干しする
畳を外せるようであれば、畳ごと外して、湿気の少ない屋外などで陰干しをすると、畳に空気が当たって乾燥させることができます。

畳のカビに対するそれぞれの掃除の仕方のメリット・デメリット

 

畳のカビ掃除には、エタノールが含まれた消毒用アルコールがおすすめです。
メリットとしては、ドラッグストアなどで購入でき、寝そべったり素足で歩いたりする畳に
使っても安全なうえに、畳をほとんど傷めないというところです。
もしも畳に黒カビが生えてしまっている場合は、消毒用アルコールでは除去が難しいので、カビを中和できる重曹を使用します。
デメリットとしてはエタノールは殺菌性が非常時高いため直接触れると手が荒れる恐れがあると
いうことです。
保護用のゴム手袋は必ず用意しましょう。
掃除中に浮遊したカビ菌を吸い込まないためにマスクも必需品です。

また、カビの予防にはお酢も効果的といわれています。
お酢の殺菌効果で、カビ発生後の除菌として、酢で拭き取る方法も効果があると
言われています。

ここでお酢を使った畳のお手入れ方法をご説明します。

1.酢水を作る
バケツ半分ぐらいの水にお酢を大さじ2杯いれる

2.畳を拭く
酢水に雑巾を浸して固く絞り、畳をかるく拭く

3.しっかり乾燥させる
最後に畳をしっかり乾燥させて完了

1ヶ月に1回程度、このように畳のお手入れをすると、畳のカビ予防になります。

お酢のメリットとしては、スーパーの食品コーナーやドラッグストアで容易に
購入できるというところです。
い草は茎の内部がスポンジ状になっていて、い草表面の皮が剥けると汚れが内部に入り込み
汚れが染み込みます。
そこでお酢を薄めた水拭きをすることによって、イグサ表面に膜ができて汚れ防止にもなると
いういいとこ取りの掃除方法なのです。
デメリットとしては、新しい畳や表替えして半年以内の畳には使用できないというところです。
変色してしまう可能性があるからです。
表面が天然い草以外の畳にも使用できません。

 
 
 

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